ヘッドハンターとしての経験から、IT時代に求められる人材について述べてみたい。私どもの仕事はエグゼクティブ・サーチといって、ごく簡単に言うと社長の右腕になるような人材を探してくることだ。もちろん役員クラスばかりではなく、もっと若い人や、特別の技術者などの依頼を受けることもあるが、いずれにせよ、将来幹部になり得る人が我々のターゲットだ。多くの優秀なビジネスマンを様々な会社に引き合わせた時、何かものをいうかというと、やはりまず人間性だろう。
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それから、ビジョン、マネジメント能力、その後にスキルということになるというのが私の実感だ。今の時代、経営戦略を構築するにあたってはITの活用は避けて通れないものだが、ITは経営改革・業務改革の手段であって、目的ではない。経営者としては、その経営改革や業務改革を進める方向を決める、いわばビジョンを示すのが主たる役割で、その後に実際にシステムを落とし込んでいくところは専門知識を持ったプロに任せればいい。以上のような見地から、IT時代とはいってもトップに近い人間に求められる資質は、以前とさほど変わらないと私は考えているのである。とは言っても、ITにより経営そのものが大変なスピードで動くようになった。小さい会社が機動力を活かして先頭を走り、優秀な人材が早い段階で経営に近いポジションにつく、またはつきたいと考えるようになる。有名大学を出て大企業に入り、定年まで勤めることが多くの人の目標だった時代は、明らかに過去のものとなっている。したがって、やはり求められる人材がかなり変化しているのが事実だ。