「正規」「非正規」という何とも雑な名称が示すように、正規社員こそあるべき姿であり非正規は望ましくないという考え方がある。そう考える人にとっては、非正規のルールを整備・強化することは自己矛盾だったのかもしれない。結果として今回の景気低迷で最大の被害を被ったのは非正規社員の人々であった。さらに、雇用不安の背景には知識不足もありそうだ。雇用に関連するルールは次々に変わっているが、そのようなルールをおおまかにでも理解している人はどれほどいるのだろうか。
[参考]
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従業員の権利について、いざというときのセーフティネットについて、誰が教えてくれるのだろうか。労働組合の組織率が20%を下回ったいまでは、労働組合経由ですべての情報伝達をしてもらうことも難しい。ほんとうは不安に思う必要などない人までが、雇用に不安を感じているのかもしれない。さらに、雇用不安の原因として気になるのが「孤立」の問題である。これは雇用の問題だけではない。重要な人との人間関係が切れてしまえば、生きることすべてが不安になる。孤立しないためのもっとも基盤となるものは家族だろうが、初婚年齢は高くなり、高齢者の単身世帯は飛躍的に増えた。不安感の背景に孤立感を持っている人が多々いるとすれば、それこそが最大の理由なのかもしれない。経済環境の悪化。企業への不信。正規社員中心の制度の制度疲労。知識不足。そして、孤立。いまここにある雇用不安は、このような要素によってできあがっている不安なのだと思う。